学生・研修医の方へ

大学院って何するの?

 口腔病理医を目指すためには、大学院で診断・研究の経験を積むことが大切です。次のようなことを行っていきます。

  1. 口腔病理診断(組織診・細胞診)を指導医のもとで経験し、知識・技術を習得
  2. 病理解剖・全身病理の勉強(県立広島病院や広島大学病理診断科にて)
  3. 学位テーマの決定と研究
  4. 学部学生・後輩の大学院生の指導
  5. ミーティングや医局会での発表
  6. 研究や診断の学会発表・論文作成

専門医を取得しよう!

 大学院では口腔病理の診断(組織診・細胞診)を行い、指導医の教授とディスカッションしながら、多くの症例を経験して知識・技術を習得していきます。

  1. 症例のディスカッション:毎朝顕微鏡・モニターを用いて症例について意見を交換し、勉強していきます。
  2. Oral Cancer Board:口腔外科、放射線科、看護師らとともに、口腔がん患者のミーティングに参加し、口腔病理からの視点でディスカッションを行います。
  3. スライドカンファレンス:広島県内、中四国支部、全国規模の病理学会・口腔病理学会などにおいて、症例の勉強会に参加し、診断技術の研鑽を行います。
  4. 全身病理・病理解剖:広島大学病院や近隣の病院の病理診断科などで、全身病理の勉強や病理解剖を経験させていただき、ご指導いただいております。
  5. 研究・論文発表:症例の免疫染色による解析、遺伝子解析等を行い、研究や症例報告を学会あるいは論文として発表します。国内・国際学会での発表を精力的に行っていきます。
 

 口腔病理医に必要な資格・専門医の取得を目指します。

  1. 死体解剖資格:病理解剖の経験が必要です。早ければ大学院在籍中にも取得できます。
  2. 口腔病理専門医:病理学会が認定しています。口腔病理診断、病理解剖、全身病理の知識等、十分な知識・経験を得た上で受験し、取得できます。早ければ大学院の学位を取得後の1年目で取得可能できます。
  3. 細胞診専門歯科医:口腔細胞診の経験が必要です。早ければ大学院在籍中も可能ですが、まずは口腔病理専門医を優先して取得を目指します。
  4. 分子病理専門医(口腔):口腔病理専門医を取得していることが必須です。その上で、エキスパートパネルに参加し、がんゲノム医療における病理医の知識・役割を理解していることが求められます。

口腔病理のキャリアって?

 当研究室で学位を取得後、多様なキャリアパスがあります。診断に関わるのであれば、上記の資格を取得済み、あるいは取得するつもりであることが求められます。

  1. 大学教員を目指す:大学で歯科診療医として口腔病理学の研究・診断を継続します。経験・実力を積んで、大学教員として働くことを目指します。教育・研究・診断能力+英語能力等、マルチな能力が求められますが、口腔病理学の将来を担っていく中核となるポジションです。
  2. 海外留学する:留学はタイミングが重要ですが、可能であれば若いうちに行くと良いです。研究を海外のラボで行い、研究力を高めます。帰国して口腔病理の教員を目指します。
  3. 研究者を目指す:海外留学してからが多いとは思いますが、帰国して研究機関に所属し、研究者として専念する。あるいはそのまま海外で研究者として働くパターンもあります。
  4. 近隣病院の病理診断科の勤務医:受け入れ先の判断によりますが、口腔病理専門医を取得し、病理診断科の一員として口腔病理医として働くことも制度的には可能です。
  5. 開業医で働く:口腔病理学で学んだ知識を活かし、開業医で働きます。

挑戦する若い力と多様性を研究に活かす!

 大学院に入ると、研究を開始します。1年目から4年目まで、病理診断と並行しながら研究を行っていきます。当研究室には病理専攻以外にも、口腔外科(口腔腫瘍制御学)や矯正歯科からも大学院生が配属されており、多様な臨床経験を活かしつつ研究に専念しています。

  1. 細胞、マウス、病理組織、オミックス解析など、様々な手法を駆使した研究に没頭します。
  2. 抄読会・ラボミーティング・One-on-oneミーティングで多くのディスカッションを行います。
  3. 異分野の研究室ともミーティングを行い、研究者として幅広い興味関心を養い、共同研究への発展を目指します。
  4. 国内での学会発表を行います。また、日常的に英語での発表、ディスカッションを行い、国際学会での発表に挑戦していきます。
  5. 海外への短期留学(米国や台湾など)を経験できます。
  6. 創発的次世代研究者育成・支援プログラム (SPRING) に応募し、採択されれば生活費や研究資金の支援を受けることが可能になります。

口腔病理に興味がある方へ教授からのメッセージ

 口腔病理は、病気の成り立ちを深く理解するための学問であると同時に、治療方針を決めるうえで必須の検査でもあります。基礎と臨床のちょうど中間にある、ユニークでとても面白い分野です。

 研究に時間をかけてしっかり楽しみながら、臨床現場で必要とされる診断にも関わる──そんな両方の魅力を感じられるのが、口腔病理の醍醐味です。最近では、がんゲノム医療やコンパニオン診断など口腔病理医の役割が広がり、ますます注目される存在になってきています。

「ちょっと面白そうかも」と思った研修医や学生の皆さん、ぜひ気軽に研究室を訪ねてみてください。見学でも、まずはメールを送ってくれるだけでも大歓迎です。

 私たちの研究や診断の現場を知ってもらうことで、将来の選択肢のひとつとして、口腔病理学を考えてもらえたら嬉しいです。ぜひ一緒に口腔病理学の魅力を探求していきましょう!

安藤俊範(toando19@hiroshima-u.ac.jp)までお気軽にご連絡ください、お待ちしております!